院外活動

東京消防庁救急相談センター

皆さんは#7119をご存知でしょうか?
急な病気やけがをしたときに、救急車を呼んだほうがいいのか、今すぐ病院に行ったほうがいいのかなど迷った際の相談窓口として、24時間365日いつでも電話で専門家からアドバイスを受けることのできる消防庁の事業です。
東京消防庁が2007年6月より都民向けの相談窓口として開設し、その後、全国的には救急安心センター事業として

全国12都府県の全域と、6市ならびに周辺地域に設置されています(令和3年10月1日現在)
=9地域 (札幌市等、埼玉県、東京都、横浜市、大阪府、神戸市等、奈良県、広島市等、福岡県)
各自治体が民間コールセンターへ事業委託
=9地域 (宮城県、茨城県、新潟県、岐阜市等、京都府、田辺市等、鳥取県、山口県、徳島県)

相談を通じて、病気やけがの症状を把握した上で、以下の判断と情報提供を行っています。
○救急相談 :緊急性の有無、受診の必要性と受診科目、受診手段
○現在受診可能な所在地に近い医療機関案内


「救急のときに専門家の判断を聞くことができる」、「119番通報が減り、重症な方を早く搬送できる」など想定されたメリットを評価する都民の声も増えているようです。認知率は平成28年度の調査でようやく50%を越えたところで、より多くの方に知って頂きたい制度です。東京都より10年近く遅れて平成28年1月に導入された横浜市では、平成30年の時点で認知率が64.2%と東京都を10%上回っています。総務省消防庁提供資料及び「救急安心センター事業(♯7119)の事業検証体制資料(案)」https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/post48/03/shiryou_betten1.pdf

私は相談医として2010年より、2ケ月に一度日曜日に12時間勤務しています。毎回勤務中に400件程度だった相談件数は、体制を刷新後12時間で600件程度に激増しています。相談看護師の洗練された電話対応をレシーバーで聴き、個人的に鑑別すべき病態を常に考えることにより、救急の知識を再考できる有用な12時間です。